Windows XPは、2001年11月に発売されました。Windows Vistaはそれから数えてじつに5年ぶりのOSとなっています。
Vistaと命名される以前はコードネーム「Longhorn(ロングホーン)」と呼ばれていました。発売日はボリュームライセンス向けが2006年11月30日、コンシューマ向けが2007年1月30日に発売となりました。
Windows XPと比べ、Windows Vistaには大幅な改良が加えられます。セキュリティの強化、新しい検索メカニズム、デスクトップの3D表示機能、32bitおよび64bitのCPUサポート、新しいAPI、IPv6のサポートなどの機能が追加されています。
Windows Vistaの内部バージョンはWindows NT 6.0。Windows 2000の内部バージョンはWindows NT 5.0、Windows
XPの内部バージョンはWindows NT 5.1であり、7年ぶりのメジャーバージョンアップとなります。
2.ハンドルソフト
Windows Vistaには以下のソフトがハンドルされています。
- Internet Explorer7
RSSの標準サポート、タブブラウザ、フィッシング対策、検索窓のツールバー表示。
- Windows Media Player 11
音楽サービスURGE対応、GUIの簡素化、デバイス同期高速化。
- Windows Defender
スパイウエア対策ソフト。旧Windows Antispyware。
- Windows Mail
電子メールソフト。Outlook Expressから名前が変更となる。
スパムメール対策に対応となり、新しいメール検索のQuick Search Boxが実装される。
- Windows Photo Gallery
デジカメ写真、動画の管理ソフト。
- Windows MeetingSpace(旧名 Windows Collaboration)
ネットワーク上のユーザーとPtoP接続することでデスクトップを共有し、プレゼンテーション等に使用するためのツール。
- Windows Backup
Windowsのシステム全体をバックアップするツール。
- Windows Calendar
スケジューラソフト。個人のスケジュールを管理するツール。
- Windows エクスペリエンス インデックス
PCを格付けするためのツール。プロセッサやメモリ、ハードディスク、グラフィックカードなどのコンポーネントを評価し、全体のスコアを算出する、
3.機能
開発者向けの技術として以下があります。
- .NET Framework 3.0
Win32 APIの後継となる新しいAPI。旧名称WinFXから.NET Framework 3.0に変更。.NET Framework(共通言語ランタイム、基本クラスライブラリ)は2.0のままであり、WCF(Windows Communication
Foundation)、WPF(Windows Presentation Foundation)、WF(Windows Workflow Foundation)、WCS(Windows
CardSpace)が追加されたものが.NET Framework 3.0となる。
.NET Frameworkの最新バージョンは.NET Framework 3.5。LINQやASP.NET AJAXに対応している。
- WPF(Windows Presentation Foundation、コードネーム Avalon)
GDIに代わる画面描画用の新API。XAML(ザムル)という仕組みが用意され、UIとロジック(プログラム)が分離され、UIをXML、ロジックをC#、VBで記述する。
- WCF(Windows Communication Foundation、コードネーム Indigo)
新しいWebサービス技術。既存のASP.NET Webサービスなど、分散アプリケーション・テクノロジの次期バージョンの位置づけ。
- WF(Windows Workflow Foundation)
次世代ワークフロー基盤。システムワークフローやヒューマンワークフローといったワークフローを、統一されたモデルで記述できる基盤。
- WCS(Windows CardSpace、コードネーム InfoCard)
現行のパスワードに代わる認証の仕組み。多数のログイン名、パスワードの管理が改善される。
ユーザ向けの機能としては以下があります。
- Aero(エアロ)
Windows Vistaから採用された新しいユーザーインタフェース。Direct9/10を使用。Windows VistaのGUIは、視覚効果の高い順にWindows
Vista Aero(AeroGlass)、Windows Vista ベーシック、Windows スタンダード、Windows クラシックが用意される。
- サイドバー
デスクトップ右側に用意されるランチャー。
時計、CPU使用率、メモリ使用率のメーター、RSSフィードの情報などのガジェットと呼ばれるプログラムを表示させることができ、ツールへのすばやいアクセスが可能となる。
Mac OS Xのウィジェット(Widhet)、Google Desktopのサイドバー、Yahoo!のWidgetと同様の機能。
- Ready Boost
USBメモリーをSuper Fetchの記録先として使用する機能。メインメモリーの容量が少ないノートPCなどで効果が発揮される。メインメモリーの容量が少ない場合、Super
Fetchは有効に働くことが出来ない。そこでRead BoostによりメインメモリーとUSBメモリを併用することで、メインメモリー容量の少ないPCでもSuprer
Fetchが有効に動作しPCの動作が高速化される。
- Restart Manager
システムをリブートせず、OSやアプリケーションをアップデートする機能。
- Super Fetch
ユーザがよく使うアプリケーションをメインメモリーに事前にロードしておくことで、アプリケーションの機動時間を短縮し、コンピュータの応答時間短縮を図る機能。
- 仮想フォルダ(Virtual Folder)
検索結果を保存しておき、それを仮想的なフォルダとして利用する機能。
- 日本語フォント、メイリオ
ClearType対応日本語フォント。Clear Typeはより細かく文字のジャギーを減らすことが可能な技術。液晶ディスプレイ上での可読性が高まるといわれる。
- EFI(Extensible Firmware Interface)
BIOSに代わる、OSとファームウェアの間の新しいインターフェイス。Windows Vistaでは当初EFIに対応する予定であったが、最初のバージョンでは対応せずサービスパックの形で対応する予定へと変更した。
セキュリティの新機能としては以下があります。
4.バージョンは6種類、一般発売は4種類
Windows XPでは、Home(Starter、Home、Media Center Edition)とPro(Professional、Professional
x64、Tablet PC Editoin)の2つのカテゴリーに分かれていました。
Vistaの場合も同様に個人向けのHome(Starter、Home Basic、Home Premium)と、企業向けのBusiness(Business
、Enterprise)の2つのカテゴリーで用意されます。また全バージョンが持つ機能を全て含む最上位の製品 Windows Vista Ultimate
が用意されます。
Starter Edition以外の全てのバージョンには、x86(32ビット)版とx64(64ビット)版が用意されます。
- Homeカテゴリー
- Businessカテゴリー
- 最上位バージョン
これ以外に、Home BasicとBusinessのNバージョンが提供されます。NバージョンはWindows Media Playerが搭載されないバージョンで、欧州向けとなります。
また上位バージョンへアップグレードするために、
Windows Anytime Upgradeという選択肢が用意されます。アップグレード用ディスクでのアップデートとは別に、Windows Anytime Upgradeによりオンラインでのアップグレードが可能となります。